
子どもが就職活動しているのですが、状況がわからず心配です。保護者としてどのように関わっていけばよいのでしょうか。

お子さまの就職活動に関心があるものの、実際の進捗が確認できなかったり内定が出るか不安だったりと気がかりが多いものです。お子さまの就職活動では近くで見守りつつ、いつでもサポートできるように備えておくことが大切です。近年の就職活動事情を把握しておけば、お子さまの状況をいつでも理解したうえで適切に対応できるでしょう。
お子さまの就職活動にどう関わればいいのか。多くの保護者が悩み、迷う場面です。そこで、就職活動を終えた先輩保護者のアンケート調査をもとに、データと実例を交えながら、保護者の関わり方について考えていきます。これから就職活動を迎えるお子さまがいる保護者の皆さまは、ぜひ参考にしてください。
参考・引用:マイナビ保護者サポート「就職活動中の大学生・社会人1年目の子を持つ保護者調査」(2024年8月実施)
就活生の子どもがいる保護者が抱える悩みとは?
就活生のお子さまとの距離感や接し方で悩む保護者は少なくありません。マイナビの調査データとマイナビ保護者サポートの調査結果を参考に、どんな接し方がよいのか見ていきましょう。
子どもの就職活動への「高い関心」は当然。でも、どこまで口を出すべきか
「2024年度 就職活動に対する保護者の意識調査」によれば、約7割の保護者がお子さまの就職活動に高い関心を持っているようです。その一方で、「進捗が把握できない」、「スケジュールが過密で心配」といった不安の声も多く聞かれました。

参考・引用:マイナビキャリアリサーチLab「2024年度就職活動に対する保護者の意識調査」
関心はあるものの、実際には、お子さまから「よく相談を受けた」と答えた保護者は14.1%にとどまり、「あまりなかった」「まったくなかった」という回答も一定数存在します。つまり、就職活動中のお子さまと保護者のあいだに「距離」があることは、特別なことではなく自然な状態といえるでしょう。
大切なのは、心配だからといって過度に介入しすぎないことです。過干渉は、かえってお子さまがプレッシャーを感じてしまう可能性があります。保護者に求められるのは、適度な距離を保ちながら、必要なときにはしっかり寄り添う「見守る姿勢」です。
子どもの就職活動への「不安」は半数超。でも、信じて見守ることも保護者の役目
就職活動を見守るなかで、不安を感じる保護者は少なくありません。実際、「2024年度 就職活動に対する保護者の意識調査」では、56.9%の方が不安を抱えていると答えています。多く挙げられたのは、「子どもの進捗がまったく見えない」「本当に内定が出るのか」といった声でした。
ただ一方で、マイナビ保護者サポートの調査に寄せられた先輩保護者の声には、「信じることが一番」「過干渉にならず、必要なときにだけ話を聞くようにしていた」といった前向きな意見も見られました。お子さまにとって安心感につながったのは、保護者が「信じて見守る姿勢」で寄り添ってくれたことだったのかもしれません。

参考・引用:マイナビキャリアリサーチLab「2024年度就職活動に対する保護者の意識調査」
保護者のよくある悩みとその要因や寄り添い方について、以下の記事でも詳しく解説しています。併せてご覧ください。
就活を終えた子どもがいる先輩保護者のアドバイス
お子さまの就職活動を振り返った先輩保護者が、就活生のお子さまがいる保護者に伝えたいことは何でしょうか。どのような関わり方やサポートが就活生のお子さまに役立つのか、先輩保護者のアンケート調査のアドバイスをもとに解説します。
1.子どもの意思を尊重する姿勢が大切
マイナビ保護者サポートの調査結果では、保護者が考える支援の形として、主に2つの意見が多く見られました。保護者の皆さまから寄せられたコメントを分類すると、最も多かったのが「子どもの自主性や意思を尊重する」であり、次いで「親は見守る姿勢でいるべき」と続きます。
特に、「子どもの自主性や意思を尊重する」という点については、先輩保護者の声で全体の約3割の保護者が同じ意見をお持ちのようでした。そこでは、以下のようなコメントが寄せられています。
- 子どもの人生なので、聞かれたり、悩んでいる時以外は親から口を出さない
- もう大人なんだから、個人の主体性に任せようと見守っていました
- 親が就職するわけではないので、本人の意思を尊重する
保護者としては、お子さまの就職活動を心配するあまり、いろいろとアドバイスしたくなる場面もあるかもしれません。しかし、お子さまの力を信じ、その選択を尊重する姿勢が、主体性を育み、納得のいくキャリアの第一歩につながります。相談をしてきたときに、いつでも話を聞ける準備をしておく。そんな「見守り」のスタンスが確かな心の支えとなるのではないでしょうか。
2.すれ違いの一因は「情報不足」。保護者の知識アップが第一歩
就職活動をめぐる親子のすれ違いで多く聞かれるのが、「そもそも保護者が現代の就活事情を知らなかった」という反省の声です。実際、「就職活動の環境をよく知っていた」と自信を持って答えた保護者はわずか10.8%にすぎず、「あまり知らなかった」「まったく知らなかった」という回答は40%以上に達しています。

参考・引用:マイナビキャリアリサーチLab「2024年度就職活動に対する保護者の意識調査」
マイナビ保護者サポートの調査では、以下のようなアドバイスがありました。
- まずは自分が現代の就活を学ぶこと(やり方がどんどん変わっている)
- アドバイスできるよう日頃から前もって調べておくことが大事
- 外から見守るほうが良いが、アドバイスを求められたときのために、密かに情報収集はしておいたほうが良い
ES(エントリーシート)、自己分析、グループディスカッション、WEB面接など、「親が知らない単語が多すぎて、会話についていけなかった」という声も珍しくありません。しかし、知らないからといって距離を置くのではなく、「知ろうとする姿勢」を持つことが、お子さまとの信頼関係を深める第一歩になるのではないでしょうか。
就活生のお子さまがいる保護者が、実際どのように情報収集しているのか、以下の記事で調べ方やコツを解説しています。併せてご覧ください。
3.「保護者の支援」はサポーターの立場で。金銭面だけじゃないサポートとは
スーツの購入や交通費の援助など金銭面のサポートは、保護者にとって大切なサポートの一つですが、その他にも、先輩保護者は多種多様なサポートをおこなっていることがマイナビの調査から見えてきます。調査では「励ましなど精神的なサポート(37.9%)」、「靴磨きやアイロン掛けなど身だしなみを整える手伝い(27.5%)」でした。

参考・引用:マイナビキャリアリサーチLab「2024年度就職活動に対する保護者の意識調査」
マイナビ保護者サポートの調査における先輩保護者からのアドバイスでは、以下のように保護者ならではの細やかな配慮が寄せられました。
- オンライン面接のために静かな部屋を確保した
- 相談してきたらとことん話を聞いてあげることが大切
- 精神面のフォローをすること
- 就活期間中は特に健康面に気を配った
こうした取り組みに共通しているのは、“安心して活動できる環境を整えること”です。就職活動はお子さまにとって大きな挑戦の時期ですが、家庭での支えやちょっとした工夫が、その挑戦を乗り越える力につながると考えられます。保護者にしかできない温かなサポートで、お子さまをそっと支えてあげましょう。
保護者としてどのようなサポートをすればよいのか、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
保護者が「ちょうどいい支援」をするためには?
お子さまの就職活動に対する保護者の関わり方は実に多様です。前述のとおり、マイナビ保護者サポートの調査からは以下のように基本的なアドバイスが多く寄せられました。
- 子どもの自主性を尊重する
- 親は見守る姿勢を保つ
- コミュニケーションを大切にする
また、それ以外にも「ちょうどいい支援」をするために注目すべき意見が見られました。以下に、実際の保護者コメントをもとに、特に参考になる3つの支援スタイルをご紹介します。
1. 親の経験を押し付けない
就職活動は時代とともに大きく変化しています。「親の古い知識で子どもを縛らない」というコメントが寄せられているように、過去の経験や常識が今の就職活動では通用しないことも多々あります。また「自分と向き合う時間を大切にしてほしい」という声もありました。保護者は、自らの価値観を押し付けず、お子さまの判断を尊重する柔軟な姿勢が求められるでしょう。
2. 判断材料のさりげない提供
マイナビ保護者サポートの調査では、「子ども自身が迷って決めかねたとき、自信を持って決められるように声掛けするといいと思います」といった声が寄せられています。お子さまが選択に迷っているときには、保護者が静かに背中を押すような関わりが、役立つ場合もあるようです。たとえば業界情報や選考スケジュールなど、必要に応じて情報をそっと伝えるようなコミュニケーションをとることで、最終的な決断を支えるきっかけになることもあるでしょう。ただし、基本は“見守る姿勢”を大切にしながら、そっと寄り添う気持ちを忘れないことが大切です。
3. 「無理しなくていい」という一言
マイナビ保護者サポートの調査には、「無理しない」「あまり周りに流されて焦らず、じっくりと自分のやりたいことを見つけてください」といったコメントが寄せられています。こうした声からは、お子さまに無理をさせすぎないことの大切さがうかがえるだけでなく、過剰なプレッシャーを和らげ、気持ちを落ち着ける助けになることもあるでしょう。
「無理しなくていい」という一言が、心の余裕を生み、その余裕が結果的に前向きな行動につながることもあります。保護者のさりげない声掛けが、お子さまにとって静かな支えとなる場面もあるかもしれません。
まとめ
本記事では、マイナビ保護者サポートの調査をもとに、就職活動を終えたお子さまがいる先輩保護者の声から、お子さまの就職活動を支えるためのさまざまなヒントをご紹介してきました。
最も多かったのは「子どもの自主性を尊重する」という意見で、そこには「見守る」「信じる」といった姿勢がにじんでいました。また、「コミュニケーションの大切さ」や「保護者自身の情報理解」も大切な視点です。さらに今回は、以下のような「ちょうどいい距離感」での関わり方もご紹介しました。
- 親の価値観を押し付けない
- 判断材料を自然に渡す
- 無理をさせない
就職活動はお子さま自身の人生の節目であり、保護者はその背後で静かに支える存在です。焦らず、慌てず、信じて待つ――それが、これから就職活動を迎えるお子さまにとって、何よりの力になるのではないでしょうか。
マイナビでは、就職活動中のお子さま向けに役立つ情報を幅広く提供しております。お子さまをサポートする際には、ぜひ参考になさってください。
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