納得のいく就職活動を実現するために、子どもの経済状況に合わせたサポートを

就活生それぞれの活動状況で必要な費用は異なりますが、想定外の出費が発生することも珍しくありません。また、近年はインターンシップに参加する学生が増えており、そのための諸経費も必要となったため、お子さま自身のアルバイトだけでまかなうのは難しいケースがあります。

保護者の金銭的支援の実態

就職活動にはさまざまな費用が発生します。マイナビの調査によれば、保護者はお子さまの就職活動のために総額で平均約14万円の支援をしているようです。使用用途を頻度別に見ると、衣装代（スーツ、靴、かばん等）が最も高く、次いで交通費、資格取得代、通信関連機器（スマホ、PCその他備品含む）代が続きます。

スーツなどの衣装や備品に関しては、半数以上の保護者が子どもと一緒に選んで購入し、約3割の保護者が資金を渡して子ども自身で購入をしているようです。
そのほか、宿泊費を含む交通費は、企業によって都市部で面接が開催されることがあるため、活動状況や居住地域によって異なります。あくまでも平均的な参考値としてご理解ください。

＜お子さまの就職活動における支援額と内訳＞

参考・引用：マイナビキャリアリサーチLab「マイナビ2023 年度 就職活動に対する保護者の意識調査 PDF」

今の学生の就職活動にかかる費用

現在の就職活動スケジュールは、3年生（以降、修士1年生も含む）の4月から翌年2月までが就職活動準備期間で、3年生の3月以降が会社説明会や面接などが始まる就職活動本番期です。

マイナビの調査によると、就職活動本番期にあたる3月から6月までの4カ月間にかかった費用の合計は、平均約2万7千円です。
本格的に就職活動を進めている時期なので交通費や宿泊費が中心ですが、外出に伴う飲食費、履歴書やエントリーシート用の証明写真代、応募書類を郵送するための郵便代、シャツやバッグなどの備品を購入する費用なども発生します。

就職活動のオンライン化で就職活動費用は減少傾向

就職活動本番期にかかる費用は近年減少傾向です。下図にあるマイナビの調査だと、2017年卒は平均約11万円かかっていましたが、2021年卒以降は半額以下に減少しています。

＜就職活動本番期にかかる費用の変化＞

参考・引用：マイナビキャリアリサーチLab「2025年卒 学生就職モニター調査 6月の活動状況 PDF」

これは、新型コロナウイルス感染症を契機に就職活動のオンライン化が進み、会社説明会や面接がインターネットで実施される機会が増えたことが大きな要因と考えられます。通信費用がかかるとはいえ、交通費が不要となったので負担は大きく軽減されました。
ただ、コロナ禍の収束に伴い、最終面接を中心に対面形式での実施に戻す企業が増えてきました。会社説明会や一次・二次面接については、引き続きオンラインで実施する企業もあるので、交通費などが一気に増えることはないとは考えられますが、今後は徐々に費用が増えると想定されます。

また、今は3年生の夏から冬にかけてインターンシップへの参加が一般的です。つまり、就職活動準備期間の活動費用が増える傾向にあり、就職活動本番期の費用は減少傾向であっても、全体として就職活動に必要な費用は増加傾向と考えられます。

お子さまの経済状況に合わせて必要な支援を

金銭的支援の実態から、就職活動には想定以上に費用がかかることがわかります。しかし、研究活動や部活動が忙しくアルバイトの時間が取れない場合は、資金不足で就職活動に集中できないかもしれません。
お子さまが納得のいく就職活動を実現できるよう、活動状況や経済事情に合わせた金銭的支援が求められます。

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