
子どもの就職活動が心配です。自分でどのくらい行動しているか、ちゃんと就職できるのか不安ですが、どう声をかけたらよいのかもわかりません。こんなとき、親として何ができるのでしょうか?

お子さまの就職活動に対して、保護者の皆さまの心配や不安は尽きないかと思います。 しかし、不安だからと無理に就職活動の状況を聞いてしまうと、お子さまにプレッシャーを与えてしまうかもしれません。そのため、まずは普段の何気ない会話のなかでコミュニケーションをとることを目指しましょう。
この記事では、お子さまの就職活動に対して不安を抱える方に向けて、よくある悩みとその要因、お子さまへの寄り添い方について解説しています。お子さまの就職活動にどのように寄り添い、サポートすればよいか知りたい方はぜひご覧ください。
「子どもの就職活動が心配」は珍しいことではない
「こんなに子どもの就職活動を心配して、自分は過保護なのではないか」と感じている方もいるかと思います。しかし、お子さまの就職活動を心配する方は、決して少なくはありません。
「マイナビ 2023年度 就職活動に対する保護者の意識調査」で、子どもの就職活動に対して不安になったことがあるかを聞いたところ、「不安になったことがある」と回答した割合は56.0%でした。
つまり、半数以上の方がお子さまの就職活動に対して不安を感じています。具体的な不安の要因はさまざまです。なかには漠然と不安を感じているために自分に何ができるのかわからず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで、まずは保護者の皆さまがお子さまの就職活動に対してどのような不安を感じているのか、明確にされてみてはいかがでしょうか。
不安に感じる理由が明らかになれば、お子さまに対してどのように寄り添えばよいのか具体的にイメージしやすくなり、どのようなサポートが喜ばれるのか検討できるでしょう。
参考・引用:マイナビ「2023年度就職活動に対する保護者の意識調査」
不安の要因は?保護者が抱く「子どもの就職活動」への悩み
お子さまの就職活動に対して、保護者が抱く不安は人それぞれ異なります。ここでは、よくある5つの不安とその要因を紐解いていきます。
子どもの就職活動の状況がわからない
まずは「子どもの就職活動の状況がわからない」という不安が挙げられます。特にお子さまが就職活動のことをあまり話さなかったり、聞いてみても「大丈夫だから」と返答されてしまったりすると、どのくらい就職活動が進んでいるのか心配になるかもしれません。
また、仮にお子さまから就職活動の状況について聞くことができても、保護者が現在の就職活動についてあまり詳しくない場合、その状況がよいのか、よくないのかを判断するのが難しいでしょう。
結果として「本当に順調に進んでいるのか」「今現在はどの段階にいるのか」「選考には通っているのか」などの不安につながっていきます。
実際、マイナビ保護者サポートが実施した調査で「お子様の就職活動で不安だったこと(不安なこと)」を聞いたところ、「就職活動の状況が分からない」という回答が最も多く挙げられています。また、子どもと同居している場合のほうが別居している場合よりも不安を感じる割合が高いこともわかっています。
これは、お子さまを近くで見ている分、日々の様子や進捗が気になってしまうためと考えられます。保護者としては、子どもの努力や苦労を間近で見ているからこそ、就職活動の結果や進展が見えにくいことに対する不安が大きくなるのかもしれません。
参考・引用:マイナビ保護者サポート「就職活動中の大学生・社会人1年目の子を持つ保護者調査」(2024年8月実施)
就職活動の具体的なサポート方法がわからない
就職活動の具体的なサポート方法がわからないことも不安になる要因です。保護者世代と現在では、就職活動の進め方や、使用するツールが変わっています。近年の就職活動の流れや企業の採用事情を保護者側が十分に理解していなければ、適切なタイミングでお子さまが求めるサポートをするのは難しいでしょう。結果として、何もできないまま見守るしかなくなってしまいます。
自分が知らない企業を子どもが志望している
保護者が知らない企業をお子さまが志望していることも不安になる要因の一つでしょう。世界情勢や国内の経済状況が大きく変化しているため、保護者世代が就職活動をしていた時代の人気企業や業界と、お子さま世代の人気企業や業界には差があります。
例えば製造小売業界やIT業界など、近年成長してきた業界は、保護者にとってイメージしづらいかもしれません。特定の業界では著名でも世間一般的には広く名前が知られていない企業は多くあります。自分が知らない企業をお子さまが志望している場合、年収や福利厚生などがあまり良くないのではという不安を抱くことがあるかもしれません。
子どもとのコミュニケーションの取り方がわからない
お子さまとのコミュニケーションの取り方がわからないことも不安になる要因です。選考が進むとお子さまの不安やプレッシャーも大きくなります。どんなに前向きに就職活動しているお子さまでも、不安や緊張感から余裕がなくなってしまうこともあるでしょう。
こうしたお子さまの様子を見て、励ましの言葉をかけたいと思うものの、逆にプレッシャーになるのではないかと不安に感じている方もいるかもしれません。
また、対話しようとしてもお子さまが避けようとする姿勢を示すと、「どのように接したらよいだろうか」「どのように話を引き出せばよいのか」などわからなくなってしまい、さらに不安になってしまうこともあります。
子どものストレスや疲労が心配
お子さまのストレスや疲労を心配している方も多いのではないでしょうか。現在は、3年生の夏休みにインターンシップ(在学期間中に一定期間企業での実務経験をおこなうプログラム)に参加し、3年生の3月から企業エントリー受付開始とともに就職活動が本格化します。
その後選考を経て、4年生の10月以降に正式に内定が出ます。このように、保護者世代の就職活動と大きく異なります。また、企業によっては、履歴書以外にESの提出を求めたり、内定までに複数の選考を設けたりと複雑になっています。
そのため、就職活動に取り組むなかで疲れてしまったり、選考で不採用が続いてストレスが溜まったりする学生もいます。
お子さまが疲れた様子を見せたり、家での口数が少なくなったりすると、保護者としては「心の健康が損なわれているのではないか」「体調を崩してしまうかもしれない」と不安を募らせる要因になります。
子どもの就職活動に、保護者はどう寄り添えばよい?
お子さまの就職活動に、保護者はどのように寄り添えばよいのでしょうか。ここでは「対話とコミュニケーション」「情報収集」「環境づくり」の3つの観点で何をすればよいのか、紹介します。
対話とコミュニケーション
最初に、対話やコミュニケーションの観点でお子さまにできることをご紹介します。
子どもとの会話の時間を設ける
まずは、お子さまと会話する時間を設けるところから始めてみましょう。「何とかして就職活動の状況を聞き出そう」という姿勢ではなく、日常的な話題の延長で話をしていきます。途中で話をさえぎらずにお子さまの話を聴き、これまでの頑張りにねぎらいの言葉をかけると、お子さまも話しやすくなるでしょう。
親子で就職活動の話をする際のポイントやトピック例については、以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
子ども自身が求めているサポートを聞いてみる
保護者がよかれと思ってサポートをしても、お子さまにとっては必要と感じない場合もあります。喜んでもらえるサポートをするためにも、希望を具体的に聞いてみるとよいでしょう。
基本的にはそっと見守り、サポートを求められたら対応することが重要です。
子どもが前向きになれるよう声をかける
特別な知識や経験がなくとも、保護者の立場からできるサポートはたくさんあります。お子さまが前向きになれるよう声をかけてあげてみてもよいでしょう。
ただし、お子さまに対してよかれと思ってかけた励ましの言葉が逆にプレッシャーとなってしまう場合があります。その結果、「話してもわかってもらえない」と感じ、お子さまが重要な悩みを相談しづらくなる恐れがあります。
そのため、就職活動に取り組むなかで何を考え、何を感じているのか、その思いに寄り添いながらお子さまの話に耳を傾けるようにしましょう。丁寧に傾聴することが、お子さまの気持ちに対する理解を深め、的確な声かけにつながります。
情報収集
次に、情報収集の観点でお子さまにできることを紹介します。
保護者も就職活動の全体像を把握する
マイナビなどの就職情報サイトや、大学で開催する保護者向けのセミナーなどを活用し、保護者も就職活動の全体像を把握するようにしましょう。
就職活動のスケジュールをつかんでおけば「今の時期だとエントリーが始まる時期だ」などとイメージしやすくなり、必要なサポートや適切なアドバイスを考えられるようになります。
また、あれこれと聞きたくなる気持ちも抑えられ、ほどよい距離感でお子さまを見守れるようになります。就職活動のスケジュールについては、以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
- マイナビ「就活(就職活動)のスケジュールと進め方」を読む
現在の就職活動の環境について調べる
現在の就職活動の環境について調べておくのも大切です。前述のとおり、保護者世代と現在では就職活動の環境が大きく変わっています。現在の就職活動の環境をしっかりと理解しておけば、相談された場合にお子さまの目線でアドバイスしやすくなります。
保護者世代と子ども世代の就職活動環境の違いについては、以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
子どもの志望企業について知る
保護者が知らない企業をお子さまが志望していると「本当にちゃんとした企業なのか」と不安になることもあるでしょう。この場合、お子さまに「どのような会社なのか教えてほしい」と聞いて、コミュニケーションを取りながら疑問点を一緒に調べるのも一つの手です。
企業について情報収集する場合は、マイナビもぜひご活用ください。
- 「マイナビ2026 – 企業検索」を見る
環境づくり
最後に、環境づくりの観点でお子さまにできることを紹介します。
落ち着ける環境を整える
1つ目にお子さまが落ち着いて、ゆっくり過ごせるような環境を整えることが挙げられます。もし同居しているなら、例えば気分転換に好きな献立や食べ物を用意してあげたり、遅い時間まで頑張っている場合は夜食や飲み物を差し入れてあげたりするとよいでしょう。
ほかにもスーツやシャツのアイロンがけや身だしなみのチェック、駅までの送迎なども喜ばれるサポートです。いずれも日常でできる取り組みですが、就職活動をしているお子さまにとってはありがたいと感じるのではないでしょうか。
また、買い物などに誘って一緒に出掛けるなど、就職活動から離れてリフレッシュする機会を提供することも、お子さまの息抜きになるでしょう。
必要に応じて金銭的なサポートをする
スーツやバッグといった就職活動に必要な物品の購入費や、面接や説明会に行くための交通費など、就職活動は思った以上にお金がかかります。特に遠方での選考に臨む際には宿泊費がかかることもあり、学生にとっては大きな負担となります。
また、就職活動が本格化するとアルバイトができる時間も減り、お子さま自身で就職活動の資金を工面するのは苦労すると考えられます。そんなときは、必要に応じて金銭的なサポートをするとよいでしょう。
お子さま自身も安心して就職活動に力を注げるようになります。お子さまへの金銭的な支援については、以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
まとめ
お子さまの就職活動を心配している方も多いかと思います。まずは、ご自身がどのような不安を抱えているのかを整理し、お子さまと話し合いながら情報収集を進めてみましょう。
そのなかで、お子さまの考えや気持ちに寄り添い、適切なサポートを心がけることが大切です。企業のインターンシップ情報をはじめ、就職活動に関する最新情報を収集する際には、ぜひマイナビをご活用ください。
- 「マイナビ2026」を見る
マイナビ保護者サポートでは、お子さまのキャリア・就職活動を応援する保護者の皆さまに有益な情報を提供しています。マイナビと併せてぜひご活用ください。