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大学2年生の子どもがいるのですが、キャリアや就職活動については特に何も考えていないようで…。 低学年のうちからキャリアについて考えさせるべきなのでしょうか?

お子さまが自身の今後のキャリアについて考えているか気になる方も多いでしょう。まずは大学時代のキャリア形成全体の流れや低学年からできることを把握し、お子さまがキャリアについて主体的に考えていけるようサポートしていきましょう。
この記事では、大学低学年(大学1、2年生)のお子さまがキャリアについて考える際に、保護者がどのようにサポートできるかをご紹介します。お子さまのキャリア形成にどのように関わればよいか知りたい方は、ぜひご覧ください。
大学4年間で考えるキャリア形成・就職活動の流れ
大学4年間を例に、キャリア形成・就職活動の一般的な流れを見ていきましょう。
1~2年生
1、2年生では就職活動そのものより、さまざまな体験を重ね、視野を広げることが大切です。学業やアルバイト、部活動、ボランティア、短期留学など、興味・関心のある取り組みに挑戦することが、結果として自分に対する理解を深めたり、将来について考えたりするきっかけになります。
特に、大学低学年は学業を通して、幅広い知識やスキルを学ぶ時期です。この時期に身に付けた基礎がその後の専門的な学びや経験につながり、将来のキャリア形成に役立つ土台となります。同時に、世の中にどのような仕事があるのかをじっくり考えられる時期でもあります。
社会人と話したり大学のキャリアセンターに足を運んだりすると、「仕事のリアル」を感じられるでしょう。大学によっては大学1年生から受講できるキャリア教育を正課で実施しているところもあります。
そのほか、「仕事のリアル」を知る機会の一つとして「インターンシップ&キャリア」が挙げられます。インターンシップ&キャリアとは、学生が企業や団体が提供するプログラムに参加し、就業体験をする場を指します。※「インターンシップ&キャリア」はマイナビの総称です。
プログラムの内容は企業や職種によって多種多様ですが、大きく「実践型」「業務体験型」「課題突破型」「セミナー参加型」の4つに分けられます。
プログラムの種類 | 概要説明 |
---|---|
実践型 | ・企業で実際の業務を体験するプログラム ・職場やリアルな仕事内容を知ることができる |
業務体験型 | ・実際の業務に近い体験をする ・プログラム職種や業務への理解を深められる |
課題突破型 | ・実際の業務を想定したテーマが提示され、グルー プで解決策を検討し、それを発表するプログラム ・業務の難易度や自分の適性を知ることができる |
セミナー参加型 | ・企業説明会や社員との座談会などがメインで就業 体験がないプログラム ・多くの場合選考が無いため、気軽に参加できる |
ただし、プログラムによっては対象学年が決まっているものもあるため、募集要項を確認しておくことが大切です。いずれも学生一人ひとりが自身のキャリアについて考えるきっかけとなる内容です。こうした機会を活用して早い段階から将来の可能性を広げていきます。
3年生
3年生になると就職ガイダンスを実施する大学が増え、マイナビなどの就職情報サイトを活用する学生が増えます。そして、夏休みや冬休みなどの長期休暇には、大学3年生から修士1年生までを対象に企業のインターンシップ(学生が一定期間企業で就業体験をおこなうプログラム)が開催されます。
インターンシップ参加にあたり、選考を課す企業もあるため、ES(エントリーシート)の作成や面接対策などの準備を始める学生もいるでしょう。ESとは、企業が履歴書とは別に学生に提出を求める書類で、志望動機や自己PR、学生時代の経験(ガクチカ)などを記入するものです。
インターンシップ参加を経て、興味のある業界や企業を明確にしていくとともに、自己理解を深めていきます。
そして3年生の3月1日に企業の採用活動における広報活動が解禁となり、就職情報サイトなどを通じて興味のある企業にエントリーしていきます。その後、応募先の選考フローに合わせて説明会への参加や、適性検査の受検、ESの提出を進めます。
4年生
4年生になると就職活動が本格化します。面接などを経て内々定を受け、10月1日以降に企業から正式な内定の通知を受けます。以降は卒業論文の作成など卒業に向けた準備や、資格の取得など入社に向けた準備を進めていくことになるでしょう。
大学1、2年の過ごし方が就職活動に影響する?
低学年のうちから将来について考えることは、キャリア観や職業観を醸成することはもちろん、社会人になってからのミスマッチを減らすことにも役立ちます。
早い段階で行動すれば、自分の強みや特性、興味関心について気付くことができ、自己理解や仕事理解が深まります。働くことに対するイメージもより具体的になるでしょう。また、今の自分に足りないものを認識すれば、それを補うための具体的な目標を立てられます。
近年、低学年の段階で自分自身のキャリアを考える学生は増加傾向にあります。マイナビが2026年卒の学生に実施した調査によると、大学1・2年生のときにキャリア形成活動に参加したことがある割合は、前年比2.9ポイント増の35.8%となっています。
また、参加したことのあるプログラムについては、特に「オープン・カンパニー型」や、「キャリア教育型」、「期間が半日・1日の就業体験のあるプログラム」への参加率が高く、その他のプログラムも全体的に参加率は増加しています。

参考・引用:マイナビ「マイナビ2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査 ~中間総括」
もちろん、低学年のうちにプログラムに参加しないと就職活動に不利になるということはありません。お子さまのペースや考えを尊重することが重要です。
では、保護者としてどのようなサポートができるのでしょうか?ここからは具体的なサポートについて解説します。
保護者の立場から何ができる?大学低学年の子どもへのサポート
お子さまが自身のキャリア観や職業観を育むには時間がかかります。大学1、2年生はどのような仕事をしたいかはまだ明確になっていない可能性が高いといえます。このような低学年のお子さまに対して保護者はどのようなサポートができるでしょうか。ここでは6つの方法を紹介します。
子どもと対話する機会を設ける
まずは、お子さまとゆっくり話をする機会を設けてみましょう。日常生活のちょっとした会話をきっかけに、お子さまが何に興味を持っているのか、将来についてどのように考えているのか知るところからはじめます。
会話する際はお子さまの意見や考えを否定したり、さえぎったりせず、お子さまの話に耳を傾けることが大切です。保護者の意見を押し付けてしまうと本音を話せなくなってしまいます。
そのため、自分の考えや希望は一度横に置き、お子さまが自身の思いを率直に話せるように丁寧に聴いていきましょう。
子どもの興味や関心をキャリアと結びつける
お子さまの興味・関心がわかってきたら、それを足がかりに、キャリアと結び付けて考えてみるように促してみましょう。
例えばゲームが好きで仕事にしたいと考えているようであれば、ゲームが完成するまでの流れについて一緒に調べてみたり、関連する仕事は何かを考えたりします。
あくまでもキャリアや仕事について前向きに考えてもらう機会なので、得意・不得意は考えないようにすることが大切です。
お子さまの興味とキャリアをどう結びつけたらよいか、保護者としてもイメージしづらい場合もあるでしょう。その場合は、マイナビの「業界研究大図鑑」を活用してみてはいかがでしょうか。業界研究大図鑑は、身の周りのものにどのような業界が関わっているかがわかるコンテンツです。ぜひ、お子さまと一緒にご覧ください。
子どもの自己分析をサポートする
お子さまが「自分はどんな人間か」の掘り下げに悩んでいるようであれば、保護者だからこそ知っている長所や短所、行動の傾向などを伝えてみてもよいでしょう。
お子さま自身の自己理解が深まるきっかけになります。また、お子さまに自己分析ツールを活用してもらい、その結果を見ながら一緒に分析するのもおすすめです。
肝心なのは、保護者の価値観で決めつけた発言をしないことです。過去のエピソードとともに、「そこが〇〇のいいところだと思う」とできるだけお子さまの魅力を伝えるようにしましょう。
マイナビでは低学年を対象とした適性診断「マイナビコンパス」を用意しています。お子さまが自己分析をおこなう際はぜひご活用ください。
低学年対象のイベントの情報を一緒に探す
低学年の段階では自分が何をしたいのか、どのような企業に行けばよいのか、まだ見えていない学生も多い傾向にあります。
なかには、興味の方向がわかったとしても何をしたらいいか迷っていたり、一歩を踏み出したとしても次にどのような行動をしたらよいかわからなかったりするお子さまもいます。
もし、お子さまが悩んでいる場合は、少しでもお子さまの視野を広げられるように、低学年向けのイベント情報を一緒に探してみてもよいでしょう。
その際、保護者側から先に「イベントに行ってみれば?」と促すのではなく、まずは「低学年向けのイベントってあるの?」と、お子さまの現状を確認するところから始めるのが望ましいでしょう。
マイナビでは、社会で活躍するための知識やスキルを身に付けられる学生向けキャリア学習サービス「My CareerStudy」や大学1、2年生のためのサイト「START」といったコンテンツを用意しています。併せて活用してみてください。
必要に応じて金銭的な支援をする
本当はさまざまなことに挑戦したいけれど、費用がかかることがネックになってしまって一歩を踏み出せないお子さまもいるかもしれません。
そんな時に、保護者からの金銭的サポートがあればお子さまにとって大きな助けになることもあるでしょう。
情報収集に必要なPC等の機器やデータ通信などの通信費、イベントに参加するための交通費、資格取得にかかる費用など、支援できる内容は多岐にわたります。
お子さまへの金銭的な支援については、以下の記事で詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
保護者の立場だと、お子さまに対して何かと手を差し伸べたくなることもあるでしょう。つい先回りしてアドバイスしたくなる気持ちが出ることもあるはずです。
しかし社会人になると、自分で考えて判断し、行動していかなければなりません。
お子さまの自主性を伸ばすためにも、先回りしたくなる気持ちはぐっとこらえ、困っていることや悩みを打ち明けられたタイミングでアドバイスをすることをおすすめします。
大学低学年の子どもへのサポート、どうすればよい? 保護者の疑問Q&A
大学低学年のお子さまへのサポートで、どうすればよいか判断に迷うこともあるでしょう。ここではよく挙がる疑問をまとめていますので、参考にしてください。
Q. 子どもの将来への考え方に口出ししても大丈夫?
お子さまにとって、保護者からの声掛けや情報提供は支えになります。ただし、根掘り葉掘り聞いたり、口うるさく指示したりすることはお子さまに過度なプレッシャーを与え、やる気を失わせるおそれもあります。
そのため、適度な距離感を保ちながら相談しやすい環境をつくり、お子さまから相談されたタイミングで適切なアドバイスや励ましができるようにするとよいでしょう。
なかには「自分の将来は自分で決めたい」というお子さまもいます。将来について保護者がどのように関わったらよいか、あらかじめ親子で話し合い、確認しておくことが大切です。
Q. インターンシップは低学年からでも参加させたほうがよい?
インターンシップはお子さまの視野を広げ、キャリアについて意識するきっかけになりますが、主に大学3年生・修士1年生が対象です。そのため、低学年のお子さまに対しては低学年でも参加できるプログラムへの参加を促してみるとよいでしょう。
なお、マイナビでは、インターンシップをはじめとするキャリア形成のための機会を、「インターンシップ&キャリア」と総称し、「インターンシップ」「仕事体験」「オープン・カンパニー&キャリア教育等」の3種類で紹介しています。
インターンシップついては、以下の記事に詳しく紹介しています。併せてご覧ください。
Q. 就職活動のために身につけておきたい資格やスキルは?
就職活動のためだけに資格やスキルを身につける必要はありません。ただし、お子さまが希望する仕事に必要な場合や、興味を持っている資格やスキルがあれば、取得できるようサポートするのもよいでしょう。
大学によっては、資格取得に向けた講座や相談会を実施しているところもあります。お子さまも大学で資格の勉強ができる環境が整っているとわかれば、取り組みやすくなるかもしれません。
まとめ
低学年のころから将来について考えはじめることは、お子さま自身のキャリア観や職業観の醸成につながります。
しかし、保護者から過度に口出ししてしまうことで、お子さまの主体性を損なってしまったり、プレッシャーを感じさせてしまったりするかもしれません。
適度な距離感を保ちつつ、声かけや励ましを通じてお子さまのサポートをしていきましょう。
マイナビでは、就職活動中のお子さま向けに役立つ情報を提供しております。各企業のインターンシップ&キャリアについて情報収集をする場合は、ぜひマイナビをご覧ください。
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