保護者のためのコラム

インターンシップ参加は重要?参加までの流れを保護者向けに解説

インターンシップ参加は重要?参加までの流れを保護者向けに解説
保護者

最近の就活ではインターンシップが重要なのでしょうか?子どもがこれからインターンシップに参加するにあたって知っておいたほうがいいことはありますか?

解説者

インターンシップは、仕事のリアルを知るだけでなく、自己理解を深める貴重な機会として注目を集めています。ただしインターンシップに参加するには選考がある場合もあるため、参加までの流れや選考について把握し、お子さまのサポートに役立てていきましょう。

この記事では、インターンシップの参加までの流れや選考情報、学生から評価の高いインターンシッププログラム、お子さまのインターンシップ参加に際し保護者がどのようにサポートできるかを解説しています。お子さまのキャリアへの関わり方について知りたい方はぜひご覧ください。

そもそもインターンシップとは?

インターンシップとは、学生が在学中に、自分の専攻や関心のある分野、将来のキャリアに関連する実際の業務を体験するプログラムのことを指します。ここからは、実際のインターンシップとはどのようなものなのか基本的な内容を紹介していきます。

インターンシップ&キャリアの形式

まずは、インターンシップの種類について見ていきましょう。

2022年6月、文部科学省・厚生労働省・経済産業省によって改正された「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方(三省合意)」が発表されました。これにより、2025年卒以降の「学生にとって望ましいインターンシップのあり方」が見直され、学生のキャリア形成支援における産学協働の取り組みが以下の4類型に分類されました。

  • タイプ1:オープン・カンパニー(業界・企業による説明会やイベント)
  • タイプ2:キャリア教育(大学等の授業(講義)や企業による教育プログラム)
  • タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ(職場における実務体験)
  • タイプ4:高度専門型インターンシップ(特に高度な専門性を要求される実務を職場で体験)

出典:採用と大学教育の未来に関する産学協議会「産学で変えるこれからのインターンシップ
出典:文部科学省「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る 取組の推進に当たっての基本的考え方

このような変化を受け、マイナビでは4類型を「インターンシップ&キャリア」と総称し、以下の3種類で紹介しています。それぞれの特徴は以下のとおりです。

名称内容対象実施日数企業が学生情報を採用活動で活用できるか
インターンシップ就業体験(実務型)大学3年生・修士1年生以上5日以上
仕事体験就業体験(実務型・疑似体験型)全学年1日以上不可
オープン・カンパニー&キャリア教育等業界・職種研究、社員交流会、会社・工場見学会など全学年1日以上不可

新たに定義された4類型のうち、インターンシップとして位置づけられるのは、「タイプ3:汎用的能力・専門活用型インターンシップ」と「タイプ4:高度専門型インターンシップ」の2種類です。いずれも企業での5日間以上の実施で実務体験が必須となるため、学生が参加しやすいように長期休暇中におこなわれます。
また、企業はインターンシップで取得した学生の情報を、採用活動開始以降から活用できるようになりました。そのため、企業によっては採用直結型のインターンシップを開催しているケースもあります。

仕事体験は、実務型または疑似体験型の就業体験ができる短期間のプログラムで、オープン・カンパニー&キャリア教育等は、企業や仕事に対する理解促進を目的としたプログラムです。

このようにインターンシップ&キャリアは、プログラムごとに対象学年や実施内容、目的が異なります。お子さまの状況に合ったプログラムを一緒に見つけられるよう、整理しておくことが大切です。

インターンシップ&キャリア参加までの一般的な流れ

次に、参加するまでの一般的な流れを紹介します。

  1. インターンシップ&キャリアの情報を収集する
  2. 就職情報サイトなどを経由してエントリーする
  3. (選考がある場合は)ESの提出や適性検査の受検、面接などの選考を受ける
  4. インターンシップ&キャリアに参加する

まずは、企業の説明会やインターンシップ&キャリアの合同説明会に参加したり、マイナビなどの就職情報サイトに掲載されている企業のプログラム情報を閲覧したりして応募先を絞り込みます。応募先を決めたら就職情報サイトなどを通じて実際にエントリーします。その際、プログラムによっては、選考や抽選を設けているケースがあります。

また、昨今ではインターンシップ&キャリアに参加するにあたり、選考を経験している学生の割合も増えています。「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)」で、選考経験有無を聞いたところ、66.1%が「受けたことがある」と回答しました。さらに「1回以上落ちたことがある」は56.1%と、選考の難易度の高さもうかがえます。

そのため、お子さまが興味を示しているインターンシップ&キャリアに選考があるのか、ある場合はどのような選考フローかを一緒に確認しておくとよいでしょう。

参考・引用:マイナビキャリアリサーチLab「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)

ここからは、インターンシップ&キャリアの主な選考内容について解説していきます。

インターンシップ&キャリアの主な選考方法

インターンシップ&キャリアの主な選考方法は4種類です。

ESや履歴書による書類選考

まず、よくある選考としてES(エントリーシート)や履歴書による書類選考が挙げられます。

履歴書は住所や連絡先など応募者の個人情報、学歴、資格などの経歴を記載する公的書類です。履歴書は大学指定のものや市販のものを利用するのが一般的です。
一方で、ESは企業が選考に使用する書類で、「自己PR」「学生時代に最も力を入れて打ち込んだこと(ガクチカ)」「志望動機」などの各設問に回答していくものです。
設問は企業によって異なりますが、いずれも学生の価値観や人柄を企業が把握するための質問が一般的です。事前にWEBや郵送で書類提出を求められる場合や、面接当日に持参する場合もあります。

適性検査

適性検査は、「能力検査」と「性格検査」の2種類に分かれます。受検形態には各自のパソコンで受検する形式や、テストセンターや選考会場で受検する形式などがあります。

能力検査は一般的な常識や知識などを問うもので、性格検査は考え方や行動の傾向に関する質問にそれぞれ回答していくものです。
適性検査は、1次面接の前段階など選考の初期段階に実施される傾向があります。面接での参考資料になるほか、応募者が多い企業では選考の一環として活用されています。

面接(個人・集団)

面接は個人面接と集団面接に分けられ、個人面接は1人の学生に対して1~3人の面接官が質問をしていく形式の面接です。
一方で、集団面接では複数の学生と一緒に面接を受けます。面接は、前述したESや適性検査の内容をもとにおこなわれるのが一般的です。

グループディスカッション

企業によってはグループディスカッションを実施するケースもあります。グループディスカッションとは、提示されたテーマについて4~8人の学生がグループになって議論し、最終的に結論を発表する選考方法のことです。
グループで議論を進めるなかで、どのように貢献したか、どのような役割を果たしたかが評価につながります。制限時間内に、グループとしての結論をまとめなければならないため、時間配分はもちろん、協力し合う姿勢が求められます。

就職活動におけるインターンシップ&キャリアの重要性

前提として、インターンシップ&キャリアに参加したからといって必ずしも就職活動が有利になるわけではありません。あくまでも学生のキャリア形成を支援する取り組みの一つです。

それでも、多くの学生がインターンシップ&キャリアへ参加しています。マイナビが実施した調査によると、2026年卒学生の参加率は85.6%(2024年10月14日時点)と、参加意欲の高さがうかがえます。インターンシップ&キャリアに参加することは、お子さま自身が強みや弱み、興味関心などを見つめ直す機会になります。また、仕事のリアルな現場を体験することで業界や職種の理解が深まります。

参考・引用:マイナビキャリアリサーチLab「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(中間総括)

子どものインターンシップ&キャリア参加、保護者として何ができる?

ここまで、インターンシップ&キャリアの内容や重要性についてみてきました。ではお子さまの参加にあたって、保護者は何ができるでしょうか。ここでは3つの取り組みを紹介します。

一緒にインターンシップ&キャリアの情報を調べる

お子さまから「一緒にインターンシップを探してほしい」と相談がきたら、一緒にインターンシップ&キャリアの情報を調べてみましょう。お子さまにとって保護者は身近な大人であると同時に、社会人の先輩なので、企業の見方や情報収集の仕方などを学べる有益な機会になるでしょう。
また、保護者側にとってもお子さまの興味・関心がどこにあるのかを知ることができます。

マイナビでは、さまざまな業種や職種、企業の情報のほか、インターンシップ&キャリアに関する情報も多数掲載しています。
また、お子さまと同じ学校に通う学生がどの企業にエントリーしているかをランキング形式で見ることができるほか、同じ学科の学生に人気のあるインターンシップ&キャリア掲載企業を探すことも可能です。お子さまが興味関心のある業界や業種のプログラムを一緒に検索してみてはいかがでしょうか。

必要書類の準備や面接練習をサポートする

最近では、インターンシップ&キャリアに参加するために選考を設けている企業が増えています。応募先の企業から選考の案内が届き、準備不足で慌てたり不安になったりする学生もいます。

マイナビが実施した「2026年卒インターンシップ・就職活動準備実態調査(4月)」で応募に際して感じる不安について聞いたところ、「選考対策がうまくできるかどうか(自己PRや適性検査・筆記試験など)」が53.8%という結果でした。

参考・引用:マイナビキャリアリサーチLab「2026年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(4月)

お子さまが不安を抱えており、どうすればよいか悩んでいる場合は、選考への準備をサポートするのもよいでしょう。具体的には、ESや履歴書など必要書類の書き方をアドバイスするほか、面接官役を担当して模擬面接をおこなうなどのサポートが考えられます。

一方で、「自分がESのアドバイスや面接官役をするのは難しい」と感じる方も多いでしょう。
マイナビでは、気軽に面接練習ができる「模擬面接シミュレーター」や、穴埋めに沿って記入するだけで簡単に自己PRを作成できる「スカウト用『自己PR文』作成ツール」のほか、ESや研究概要書など企業から提出を求められる書類をまとめて管理できる「My CareerBox(マイキャリアボックス)」など選考対策に役立つコンテンツを豊富に用意しております。

ESの書き方や面接のポイントを実践形式で学べる無料動画講座もありますので、ぜひお子さまと一緒にご利用ください。

インターンシップ&キャリアで経験したことを聞いてみる

インターンシップ&キャリアに参加したあとの振り返りも、お子さまの学びにとっては大切です。
体験した内容について、聞いてみるのもよいでしょう。
どのような体験をして、何を感じたのかをお子さま自身の言葉でアウトプットしてもらうことで、学びの定着につながります

学生からの評価が高いインターンシップとは?

数多くの企業がインターンシップを開催しているなか、「学生から評価の高いインターンシップ」とはどのようなプログラムなのでしょうか。
マイナビは経済産業省・厚生労働省・文部科学省・日本経済新聞社と共同で「学生が選ぶ キャリアデザインプログラムアワード(※)」の実行運営に携わっています。同アワードは学生の社会的・職業的自立に貢献したインターンシップやキャリア形成支援にかかる取り組みを学生自身が評価し、表彰するアワードで、2024年で第7回目を迎えました。
ここからは同アワードで入賞したプログラムから、学生からの評価が高いインターンシップの特徴を見ていきましょう。

※第5回までは「学生が選ぶインターンシップアワード」、第6回から名称が変更され「学生が選ぶキャリアデザインプログラムアワード」となっています。

2024年第7回

第7回の各賞の受賞団体は以下のとおりです。

各賞企業や大学名
キャリアデザインプログラムアワード大賞旭建設株式会社・株式会社伊藤工務店・株式会社K GRIT・ 株式会社フォトラクション・LINE WORKS株式会社 の5社共同プログラム
文部科学大臣賞関西学院大学
地方創生賞久留米工業大学
優秀賞株式会社日本総合研究所、日本大学、株式会社博報堂/株式会社博報堂DYメディアパートナーズ
入賞ANAグループ整備部門、株式会社山陰合同銀行、DHLジャパン株式会社、東京国際工科専門職大学、東京都、フューチャーアーキテクト株式会社/フューチャー株式会社

大賞を受賞した5社共同プログラムは、建築・土木・内装業界のことから現場の働き方を変える「建設tech」まで、多角的に学べるプログラムです。
また、インターンシップ期間中の振り返りにも力を入れており、実習日誌にLINE WORKSのノート機能を活用するなど、学生と社会人が気軽にコミュニケーションを取れる環境を作っています。
最終日には各社の代表や役職者の前でインターンシップで学んだことを発表し、フィードバックをおこなう機会を設けています。

また、文部科学大臣賞を受賞した関西学院大学では、カナダの大学生と2週間にわたる共同生活を通して企業の課題解決に挑むプログラムが実施されました。
海外の学生との協働プログラムということもあり、事前準備ではビジネスの基礎知識を学ぶ講義、異文化理解、チームワークスキルの向上に取り組みます。
そして事後学習では、日々のフィードバックのほか、最終のプレゼンテーションと企業からのフィードバックを受ける場を設けています。

学生から評価が高かったプログラムはいずれも事前学習→就業体験→事後学習という学びの過程が丁寧に設計されていました。また、「企業と大学が連携している」「専門性が身に付く」「期間中にさまざまな体験ができる」といったプログラムも評価されました。

お子さまとインターンシップ&キャリアを探す際には、お子さまの興味関心を最優先にしつつ、これらのポイントを押さえたプログラムかどうかも見てみるとよいでしょう。

参考:キャリアデザインプログラムアワード「第7回キャリアデザインカンファレンス 審査講評」を読む

まとめ

インターンシップは、保護者世代にとってあまりなじみのないものかもしれません。しかし、現在の学生にとっては就職活動の前に企業で就業体験ができるだけでなく、自己理解を深められる貴重な機会です。
お子さまをサポートするにあたっては、保護者自身もインターンシップについて理解を深めていくとよいでしょう。その際、一緒に情報収集したり、参加後に振り返りの場を設けたりすることで、お子さまの学びの定着につながります。

マイナビでは、就職活動中のお子さま向けに役立つ情報を提供しております。各企業のインターンシップ&キャリアについて情報収集をする場合は、ぜひマイナビをご覧ください。

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