
子どもの就職活動について情報収集をしようと思うのですが、保護者の方々はどのような情報を調べているのでしょうか?
この記事では、お子さまの就職活動を支えるために保護者はどのように情報収集すればよいのか、具体的な検索内容や情報収集のコツについて解説しています。お子さまのサポートに役立てたい方はぜひご覧ください。
【調査結果】保護者は何を、どのように情報収集している?
お子さまの就職活動について、「他の家庭ではどのように情報収集しているのだろう」と気になっている保護者もいるのではないでしょうか。また、せっかく情報収集をするなら、効率的に取り組みたいと考える方も少なくありません。
ここからは、マイナビ保護者サポートの調査結果をもとに、保護者がどのように就職活動に関する情報収集をおこなっているのか、その方法や調べている内容について紹介していきます。
参考・引用:マイナビ保護者サポート「就職活動中の大学生・社会人1年目の子を持つ保護者調査」(2024年8月実施)
情報収集の方法
「就職活動に関する情報収集の方法」について聞いたところ、以下の結果となりました。
情報収集の方法 | 割合(n=1,186) |
---|---|
インターネット検索 | 30.0% |
大学からの情報提供 | 23.3% |
お子さまからの情報提供 | 21.0% |
就職情報サイト | 18.4% |
新聞 | 4.9% |
テレビ | 3.7% |
同年代のお子さまを持つ保護者からの情報提供 | 3.6% |
SNS | 2.1% |
雑誌 | 0.8% |
その他 | 1.1% |
情報収集はしていない | 44.8% |
「情報収集はしていない」を除くと、最多は「インターネット検索(30.0%)」で、2位は「大学からの情報提供(23.3%)」、3位は「お子さまからの情報提供(21.0%)」でした。
ほかにも、就職情報サイトやテレビ・新聞、ほかの保護者から情報を収集しているケースも見られます。
ここから、お子さまの就職活動に関する何らかの情報に触れたことをきっかけに、保護者が自ら進んで調べている様子がうかがえます。また、情報源は多岐にわたるため、それぞれが自分に合った方法で情報収集をしています。
一方で「情報収集はしていない」という回答が44.8%と半数近くにのぼり、情報収集をお子さまに任せている方も少なくないことがわかりました。
実際に検索したキーワード
最も多く利用されている情報収集の方法は「インターネット検索」ですが、保護者は具体的にどのようなキーワードで検索しているのでしょうか。
ここでは、6つのカテゴリーに分けて紹介します。
キーワードのカテゴリー | 具体的なキーワードの例 |
---|---|
就職活動の基本情報 | ・ ○卒 就活 ・ 大学名 就活 ・ 学部 就活 ・ 理系 就活 ・ 文系 就活 ・ 就職先人気ランキング ・ インターン 大学 就活 ・ 就活 面接 ケーススタディ |
就職活動の進め方・スケジュール | ・ 就活 やり方 ・ 就活 いつから ・ 就活 スケジュール ・ 教員採用試験 日程 ・ 公務員試験 日程 ・ 新卒 エントリー |
志望企業・内定先 | ・ 企業名 ・ 企業名 福利厚生 ・ 企業名 平均年収 ・ 企業名 業務内容 |
志望業界・職種 | ・ 業界名 ・ 業界名 平均年収 ・ 職種名 ・ 職種名 仕事内容 |
子どもの興味関心 | ・ スタートアップ ・ 起業 ・ 海外採用 |
待遇や労働条件 | ・ ホワイト企業 ・ 有給取得率 ・ 福利厚生 |
就職活動の基本情報に関するキーワード
就職活動の基本的な情報を調べたい場合には、「○年卒 就活」「インターン 大学 就活」などのように対象となるテーマに「就活」というキーワードを組み合わせて検索する方が多いようです。また、お子さまが所属する大学名や学部名に「就活」を組み合わせて検索している方もいます。
その他、保護者世代の人気企業と比較するために、今の学生に人気のある「就職先ランキング」といったキーワードを検索するケースもあります。
就職活動の進め方・スケジュールに関するキーワード
お子さまがどのように就職活動を進めているのかを知るために、就職活動の進め方やスケジュールについて調べている方もいます。就職活動のスケジュールは保護者世代とお子さま世代では異なるため、お子さまの就職活動をサポートするうえで、自身もスケジュールを把握しておきたいと考える方も少なくありません。
具体的には「就活」に「やり方」「いつから」「スケジュール」といったキーワードを組み合わせて検索しています。
また、お子さまが公務員や教員を志望している場合は、一般的な就職活動のスケジュールに加えて、公務員試験や教員採用の試験日程について調べる保護者も見られます。
子どもの就職先に関するキーワード
保護者の皆さまもすべての企業を知っているわけではありません。そのため、お子さまの志望先や内定先がどのような企業なのかを知りたい、確認したいという思いから検索される方も多いのではないでしょうか。
現在は多くの企業が自社のホームページを開設しているため、まずは「企業名」を検索して基本的な情報を確認しているようです。さらに詳しく調べたい場合は、「企業名」に「福利厚生」「平均年収」「業務内容」といった言葉を組み合わせて検索しています。
同様にお子さまの志望業界や職種に関しても、特定の業界名や職種名に「平均年収」「仕事内容」などのキーワードを組み合わせて調べているようです。
子どもの興味関心に関するキーワード
お子さまと会話するなかで、聞き馴染みがないキーワードが出てきたときに調べるというケースもあります。
たとえ自分には馴染みのない言葉であっても、お子さまの興味関心に関わるものであれば、理解を深めたいという思いから情報収集をしているようです。特に「スタートアップ」「起業」「海外採用」などのキーワードが挙げられます。なかには、キーワード検索だけでなく、働き方や仕事内容、年収など幅広く知りたいと考える人もいるかもしれません。
待遇や労働条件に関するキーワード
お子さまの志望企業や内定先に限らず、企業の待遇や労働条件に関心を持っている保護者もいます。
例えば、「福利厚生」や「有給取得率」などのキーワードをもとにお子さまに適している企業を探すために検索することもあります。特に「ホワイト企業」というキーワード検索からは、「働きやすい企業を知りたい」という思いが感じ取れます。
情報収集で困ったこと
「就職活動の情報収集で困ったこと」について聞いたところ、以下の結果となりました。
情報収集で困ったこと | 割合(n=665) |
---|---|
どれが正しい情報かわからない時がある | 38.2% |
情報が多すぎる | 21.1% |
思っている答えが見つからない | 11.1% |
検索ワードが思いつかない | 7.2% |
その他 | 1.2% |
特にない | 44.3% |
「特にない」という回答を除くと、最多は「どれが正しい情報かわからない時がある(38.2%)」で、次いで「情報が多すぎる(21.1%)」、「思っている答えが見つからない(11.1%)」でした。
就職活動に関するノウハウなどは、マイナビを含めさまざまな企業が発信しており、サイトによって内容に多少の違いがあります。情報が多すぎるあまり、どの情報が正しいのかわからず、迷ってしまうケースもあるでしょう。
また、せっかく集めた情報でも「子どもの希望に沿っているかどうかわからない」「子どもの意思がわからない」といった理由から、その情報がお子さまにとって本当に有益なのか判断に悩む方も多いようです。
子どもの就職活動で知りたかった情報
「お子さまの就職活動で知りたかった情報」について聞いたところ、「特にない」を除くと「就職活動の全体像(スケジュール等)」が最多の35.2%、2位は「業界・企業・職種について」で29.3%、3位が「お子さまにあった適職について」で27.7%でした。
知りたかった情報 | 割合(n=1,186) |
---|---|
就職活動の全体像(スケジュール等) | 35.2% |
業界・企業・職種について | 29.3% |
お子さまにあった適職について | 27.7% |
就職活動の選考関連(エントリーシート・面接等) | 22.2% |
インターンシップ等について | 19.1% |
お子さまのモチベーションのあげ方 | 11.9% |
お子さまとのコミュニケーションの取り方 | 11.3% |
保護者の心構え | 10.8% |
就職活動でかかる金銭負担 | 6.2% |
その他 | 0.3% |
特にない | 43.1% |
ここからは、特に保護者の関心の高い上位3つのテーマについて、保護者の声や情報収集のコツを紹介します。
就職活動の全体像(スケジュール等)
最も知りたい情報として挙げられたのが、「就職活動の全体像(スケジュール等)」です。
これは、お子さまの就職活動を適切なタイミングでサポートするためにも、あらかじめ就職活動の全体像を把握しておきたい、と考える保護者が多いことが理由として挙げられます。
「同居しているのでサポートするうえで必要」「どのタイミングでイベントがあるか知っておきたかった」「全体像が見えないと(スケジュールがわからないと)アドバイスができない」という声があるように、就職活動のプロセスやスケジュールなどを知っておきたいと思う保護者は少なくありません。
また、一人暮らしのお子さまを抱える保護者からは「何をしているのかよくわからず、不安だった」という声も聞かれました。離れて暮らすお子さまがどのような状況にあるのかが見えないからこそ、不安や心配を解消するために自分自身が情報を持っておきたいという思いがうかがえます。
さらに、保護者世代の就職活動とは進め方やスケジュールが大きく変わっているため、確認しておきたい思いもあるでしょう。
マイナビでは、就職活動のスケジュールに関する情報を掲載しています。ぜひご覧ください。
- マイナビ「就活(就職活動)のスケジュールと進め方」を読む
業界・企業・職種について
業界・企業・職種に関する情報も保護者の関心が高い情報の一つに挙げられています。
ビジネスの多様化により、保護者世代には馴染みのない新しい業界や企業が次々と登場しています。「親が知らない業界や企業がたくさんある」という声があるように、保護者世代にとってはなじみがない、イメージしづらい業界や職種も増えています。また、「将来的に社会から必要とされるニーズがある業界、企業、職種なのかを確認したかった」と将来性を気にする声もあります。
特に、お子さまが志望する企業の名前が広く知られていない場合、「年収や福利厚生などがあまりよくないのでは」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
「社会人として最初に働く企業の環境は、今後の人生を送るうえで非常に重要」と考えている保護者もおり、お子さまのファーストキャリアを重視するからこそ、事前に企業や職種などに関する情報を押さえておきたいと思うのかもしれません。
さらに、保護者が文系でお子さまが理系など、お互いの系統が異なる場合は「自分のときとは就職先の選び方が違う」と感じることもあります。こうした理由から、業界や職種の違いについて詳しく知りたいと考えて情報収集をおこなう方もいます。
マイナビでは、業界や職種の理解を深められるコンテンツを用意しています。ぜひお子さまと一緒にご活用ください。
- マイナビ「就活準備コンテンツ(業界・職種研究)」を見る
- マイナビ「業界別で見る働き方データ」を見る
お子さまにあった適職について
就職活動が間近に迫ってからも、「やりたいことが見つからない」「働きたいと思える業界が定まらない」と悩む学生は一定数います。
お子さまがもし就職活動の軸が定まらずに迷っていたら、「保護者として力になりたい」「何かアドバイスをしてあげたい」と考えるのは自然なことではないでしょうか。
また、新卒入社後に短期間で離職するケースもあるため、「自分のためになる職を選んでほしい」という思いから、お子さまの適職を知りたい保護者の方もいるようです。
こうした背景から、「お子さまに合った適職」に関する情報も保護者からの関心が高いと考えられます。
とはいえ、たとえ保護者だとしてもお子さまにとってどのような仕事が合っているのか、正確に判断するのは簡単なことではありません。
適職を知るには業界・企業・職種を知ることはもちろん、お子さまがどのような強みや価値観、志向を持っているのかを理解するための分析が重要です。
マイナビでは、お子さまが適職を見つけるヒントになる「キャリアデザインツール 適性診断MATCH plus」を用意しています。ぜひお子さまと一緒に取り組んでみてください。
保護者が押さえておきたい情報収集のポイント
では、保護者が情報収集する際はどのようなポイントを押さえておくとよいのでしょうか。ここでは、3つのポイントを紹介します。
情報収集の目的を明確にする
まずは情報収集の目的を明確にするとよいでしょう。
保護者の皆さまが情報収集する目的はそれぞれ違うかと思います。しかし情報収集により就職活動への理解が深まると、お子さまに対して「あれも、これも伝えなければ」という思いが強くなるかもしれません。
そして、情報提供だけでなく自分の考えや意見まで口にしたくなることもあるのではないでしょうか。
しかし、就職活動はお子さまが主役です。
保護者の皆さまの根底には、「就職活動を頑張るお子さまを理解し、支えたい」という思いがあるかと思います。その思いを胸に留めたうえで、「何のために情報収集するのか」という目的を明確にさせておくことが大切です。
また前述したとおり、多くの保護者が情報収集をする際に「情報が多すぎて、どれが正しい情報なのかわからない」という悩みを抱えています。目的を明確にすることで必要な情報を取捨選択しやすくなるため、結果的にこうした悩みの解消にもなります。
就職活動はお子さまにとって自分自身と向き合い、大きく成長するきっかけでもあります。保護者として情報収集はしつつも、お子さまの自主性を尊重し、前向きに就職活動に取り組めるようなサポートを心がけましょう。
マイナビでは、就職活動やキャリアに関するさまざまな情報を提供しています。併せてご活用ください。
- マイナビ「就活準備コンテンツ」を見る
情報収集から親子のコミュニケーションにつなげる
情報収集は、単に役に立つデータの収集だけではありません。
親子のコミュニケーションが生まれるきっかけにもなります。
例えば、合同説明会の情報提供をきっかけに、お子さまが興味関心のある業界や職種について話が膨らむかもしれません。
また、調べた情報や保護者自身の就業経験をもとに、企業選びのチェックポイントなどを伝えられれば、お子さまの視野がさらに広がる可能性があります。
このように、保護者とお子さまが就職活動について一緒に考え、話し合う機会が持てると、お子さまがどのような業界や企業に興味を持っているのか、あるいはどのような不安を抱えているのかまで知ることができるかもしれません。
すべてを把握しなくてもよい
お子さまにとって就職活動は初めての経験です。
少しでもスムーズに進められるように、「保護者として力になりたい」「サポートしたい」という思いが生まれるのは自然なことです。保護者が率先して情報収集に努め、就職活動の流れを把握したうえでさまざまなアドバイスをすることは、お子さまにとって心強いかもしれません。
一方で、お子さま自身も慣れない就職活動のなか、自分なりにしっかり調べ、考えながら自らの道を進んでいます。保護者が思っている以上に、お子さまも真剣に将来のことを考えて準備を進めていることも少なくありません。
そのため、保護者として大切なのは「すべてを知る」ことではなく、必要なときにサポートできるよう準備をしておくことです。
まずは、お子さまのペースを尊重して見守りましょう。そして、相談されたときやサポートを求められたときに安心して頼れる存在でいることが、お子さまにとって何よりも心の支えになるのではないでしょうか。
まとめ
保護者がお子さまの就職活動について調べる目的やその内容はそれぞれ異なります。しかし、その根底にあるのは、「お子さまのことを深く理解して、必要に応じて支えたい」という思いではないでしょうか。
お子さまも自分自身の将来を考えて、インターネットやSNSなどを活用して情報収集に取り組んでいます。そのため、普段は見守りつつも、お子さまが困ったときなどいざというときのサポートにつなげていけるように情報収集をしておきましょう。
また、情報提供をきっかけに親子のコミュニケーションにつなげることで、お子さまの視野を広げる助けにもなります。
マイナビでは、就職活動中のお子さま向けに選考対策から業界・企業研究に関するコンテンツまで幅広くご用意しています。ぜひお子さまと一緒にご覧ください。
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