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マイナビ保護者サポート編集部
お子さまのキャリア・就職支援のサポートにつながる情報を発信。 キャリア系有資格者の知見をベースに、信頼できる情報源や保護者の現状をもとに記事を制作しています。
「おやごころ」は、子育て経験のある保護者の方々にリアルな体験談を語っていただくインタビュー企画です。今回は、高校卒業後に服飾専門学校へ進学し、アパレル・服飾関連業界に就職したのち、イラストレーターに転身したお子さまがいるFさんにお話を伺います。後編では、お子さまの就職活動の際にどのようにサポートしたのか、キャリアチェンジの際のエピソードについてご紹介します。
前編はこちら
進学してからも、父子間のコミュニケーションは良好
―服飾専門学校へ進学されたお子さまは、どのような学生生活を送っていたのでしょうか?
課題が多く、学生時代の3年間は忙しく過ごしていたようです。お金を稼ぐことの大切さを学んでほしいと思い、アルバイトを勧めていましたが、なかなか時間が取れず、単発の仕事をいくつか経験するにとどまったようでした。また、海外へ行き異文化にも触れてもらいたいと考えていましたが、フランスでテロが多発した影響で叶いませんでした。
―お子さまが専門学校に進学してからも、親子間のコミュニケーションはしっかり取れていましたか?
はい。私の通勤時間と娘が学校に行く時間帯が重なっていたため、毎朝一緒に電車に乗っていました。そのおかげで、高校時代よりもコミュニケーションの時間がむしろ増えた印象です。娘は身長が低く、私が荷物を電車の荷棚に載せてあげるのが当時の日課でした。懐かしい思い出です。

自分の仕事について子どもにオープンに話すことを重視
―お子さまが就職やキャリアを意識し始めた頃、親として気をつけていたことはありますか?
自分の仕事の内容ややりがいについて、日常的に話すようにしていました。娘が「社会人になるのは嫌だな」「働くのは大変そう」と感じてしまうのは避けたかったため、仕事の魅力やおもしろさを意識して伝えるようにしていたのです。直接娘に聞いたわけではないので正直なところはわかりませんが、少なくとも「働く」ということをポジティブに捉えられるようになったのではないかと思います。
―日頃からお子さまとコミュニケーションを取っていたとのことですが、就職活動について積極的にアドバイスをされていたのですか?
日常的なやりとりの中で、聞かれたり相談されたりしたときに答えるという感じでした。それほど前のめりにアドバイスをしたわけではありませんでしたし、改まって就職活動について話し合ったりすることもありませんでした。
―日常的にやりとりを重ねていると、お子さまの状況やちょっとした変化にも気づきやすくなりそうですね。アドバイスも自然に受け入れてもらえやすそうな気がします。
確かにそうかもしれません。ただ、振り返ってみると、娘へのアドバイスで失敗したと感じることもあります。娘はあまり器用なタイプではないため、同時に複数の企業へエントリーし、選考を並行して進めていくのは難しいだろうと思っていました。
ただ、それではチャンスを逃してしまうのではないかと思い、可能性を広げる意味でも多くの会社に応募するよう伝えたのです。よかれと思ってのアドバイスでしたが、結果的には本人にとってプレッシャーになってしまったかもしれません。本人の考えやペースを尊重して、アドバイスするべきだったかと思います。

積極的に、娘やその友人のエントリーシートを添削
―お子さまの就職活動を振り返って、親としてどのような点で役に立てたと感じていますか?
人事担当の経験を活かし、エントリーシートの書き方を教えたり、面接対策をしたりしたことです。娘は服飾の専門学校に通っていたため、アパレル・服飾業界への就職を希望していましたが、志望理由が「服が好き」という点にとどまっており、その先の具体性が不足していました。
―人事担当の経験者として、どういった指導を行ったのでしょう?
就職活動は、恋愛と似ています。まず「こういうタイプが好き」という気持ちがあり、就職活動で言えば業界の志望理由にあたります。次に、「その中でもなぜその人が好きなのか」という理由があり、これは企業ごとの志望理由と重なります。
さらに、それだけで終わるのではなく、「自分はどのようにあなたを幸せにしたいのか」まで伝えることが大切。これは、自分を採用することで企業にどんな価値をもたらせるのかを示すことにほかなりません。そうした点まできちんと伝える必要があると、娘には話しました。
―素晴らしいですね。説得力のある自己アピールにつなげられそうです。
私のアドバイスがどれほど役立ったかはわかりませんが、娘は無事に希望していたアパレル・服飾企業への就職が決まりました。また、同じようにアドバイスをした娘の友人も希望していた企業に就職が決まったんです。先日、娘がその友人と久方ぶりに再会した際、開口一番「お父さん元気?」と聞かれたそうで、それだけ印象に残っていたのかなと、うれしく感じました。

キャリアチェンジの話については、基本的に事後報告
―お子さまは社会人9年目を迎えた現在も、新卒入社した企業で仕事を続けているのですか?
いえ、結婚を機に独立したパートナーの仕事を手伝うために退職しました。けれども、一緒に仕事をしていると円満な関係性を維持することが難しいと思ったようで、共に働くのはやめたようです。
―その後は、どうされたのですか?
動画制作の仕事をしていたのですが、どこか違和感があったようでやめてしまいました。娘は子どもの頃から、イラストレーターとして活躍していた私の弟のことが大好きだったんです。その影響もあったのか、「イラストを描きたい」と思い立ち、結果的にイラストレーターの道を選びました。
―キャリアチェンジをする際に、お子さまから相談を受けることはありましたか?
いえ、基本的には事後報告です。動画制作の仕事もスパッとやめたのは娘らしい選択だと思いました。彼女は好きなことで頑張るのが向いているタイプですからね。
結果的に、好きなことを仕事にできる道を選べたのは、娘にとって良い選択だったと思います。ちなみに、イラストレーターとしてのデビュー作はとある書籍の表紙で、娘のイラストが使われた本が書店に並んでいるのを目にしたときは、感慨深いものがありました。

日頃からの何気ないコミュニケーションが大切
―これから進学や就職を迎えるお子さまがいる保護者の方に、アドバイスをお願いします。
お子さまが小さい頃から、家族で一緒に食事をとることを大切にしてほしいです。いわゆる「共食」ですね。食事を通じてコミュニケーションがしっかり取れていれば、進学や就職についても自然にアドバイスできるでしょう。普段の会話の延長で、自身の進学や就職の話をしたり、お子さまの相談に乗ったりしながら、さりげなく親の想いを伝えることが大事です。
―なるほど。お子さまと長く良好なコミュニケーションを続けてこられたFさんのお話だからこそ、説得力があります。
ありがとうございます。加えて、子どもの進学や就職に「自分事」として関わることも大切だと思います。つまり、ただ見守るのではなく、子どもの悩みや希望に耳を傾け、自分自身も一緒に考え、必要なときに手を差し伸べる姿勢です。子ども自身の意思を尊重しつつ、このように主体的に関わることで、お子さまにとって納得のいく選択につながるのではないでしょうか。

Editor’s Comment

今回の取材で印象的だったのは、「子どもより親が先行するのではなく、求められれば子どもの友人も含めて温かく対応する」という素敵な距離感と信頼関係に支えられた支援の姿でした。
お子さま自身も記憶に残っているという、幼い頃からの読み聞かせという言葉のコミュニケーションが、大学生になってエントリーシートについての相談という形に姿を変えたことが興味深く、さらに友人の分まで引き受けるほどの、深い信頼関係につながった姿が印象的でした。
その根底にあるのは、幼少期の不安や特性を共に乗り越えてきたご夫婦の確かな連携だと感じました。夫婦で価値観を揃え、まずは大人が安定した心の安らぎである「食事を共にする場」を作る。そうした安心できる場があるからこそ、子どもは自らの意思で歩み出せると思います。
(マイナビ編集長:高橋)






